『一秒の言葉』(小泉吉宏)

〜一度だけ放送された幻のセイコーのCM〜

「はじめまして」
 この1秒ほどの短い言葉に、一生のときめきを感じることがある。
「ありがとう」
 この1秒ほどの短い言葉に、人のやさしさを知ることがある。
「がんばって」
 この1秒ほどの短い言葉に、勇氣がよみがえってくることがある。
「おめでとう」
 この1秒ほどの短い言葉に、幸せにあふれることがある。
「ごめんなさい」???? 
 この1秒ほどの短い言葉に、人の弱さを見ることがある。
「さようなら」
 この1秒ほどの短い言葉が、一生の別れになるときがある。

  1秒に喜び、一秒に泣く。
  一所懸命、1秒。


「当時広告マンとして働き、現在は漫画家として活躍している小泉吉宏さんの
 詩だ。1984年にラジオのCMとして制作され週1回1年ほど放送された翌85
 年にテレビCM化、そして同年暮れの『ゆく年くる年』で放送された。
 放映後には、その短い言葉たちに打たれた人たちの反響があった。
 結婚式のスピーチに引用されたり、今では小学校の道徳の教材にもなってい
 る。語り尽くせない思いを短い言葉に託す。だが、時間に追われる現代では
 その短い言葉さえも省略されがちだ。
 人と人のつながり、それは言葉と時間の織り成すストーリーだろう。
 2008年6月10日。この幻のCMはハイビジョン映像でのリメイクで再度登場
 する」